高橋 悠治
高橋 悠治
音をなぞるとき、細部を調整するのは
同調、あるいは引き込みと呼ばれる現象だ。
わずかなずれが、その場で位置修正されるのは、
かならずしも意識的ではない操作によって
一致点へと引き込まれるからなのだが、
全体として見れば、他の手の動きが
いままでの手の慣習のパターンを組み直して、
別な動きの慣習をつくりあげる過程なのだろう。
人と人のあいだで写されるものは
一回限りの形にすぎない。
その限りでは動きの同調を実現することはできるが、
なぞる過程を終えて次の段階にすすむとき、
何がどのようにうけつがれたのだろ